民事信託における司法書士の役割

民事信託における司法書士の役割①：登記

司法書士は、登記のプロといわれることも多く、登記の手続き等の業務に強い専門家です。
土地や建物等の不動産の所有権は、信託契約を結んだからといって自動的に受託者に移るわけではありません。そのため不動産の売買等の取引を行うためには、委託者から受託者へ所有権を移転する必要があるのです。民事信託を利用する場合の所有権移転登記は、売買や譲渡等の登記よりも手続きが非常に複雑で独力で行うのは時間がかかると予想されます。

また、民事信託のために、会社や財団法人を設立する場合には、設立登記も必要となるケースもあります。民事信託における登記は非常に複雑なので登記に関する知識が豊富な司法書士に依頼した方がスムーズに手続きを完了することができるでしょう。

民事信託における司法書士の役割②：信託監督人

民事信託は、非営利目的でなければいけませんので、司法書士が業務のいっかんとして受託者になることはできません。
ただし、受託者の信託事務を監督する「信託監督人」として民事信託のサポートを行うことはできます。信託監督人に求められるものは、誠実且つ公平であること、善良な管理者として権利行使することです。

信託監督人は、帳簿等の閲覧等請求権、受託者に対する報告請求権、権限違反行為の取消権、利益相反行為の取消権、受託者が損失を出した場合受託者に対して損失補填を求める等の権限があり、信託業務が適切に行われているかを確認する重要な役割を果たします。

信託契約の内容や信託財産の種類等によって管理運用がとても煩雑になります。このような場合には、司法書士等の専門家に信託監督人になってもらうことで、信託開始後の悩みを軽減することができます。

司法書士法人奏では、埼玉県上尾市を中心に、県内全域で法律相談を承っております。相続手続き全般や成年後見・贈与・信託、不動産登記や商業登記などの登記手続きについてお困りの方は、お気軽にご相談ください。皆様のお悩みに最善のサポートをいたします。