成年後見制度の手続きと流れ

成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度の2種類があります。

法定後見制度の手続き

家族が認知症等の症状によって判断能力が低下した場合、法定後見制度を利用することができます。

法定後見では、家族の判断能力が低下した度合いによって、後見人・保佐人・補助人を家庭裁判所に選任してもらうことができます。 法定後見を利用するためには家族の住んでいる地域を管轄する家庭裁判所に後見(保佐・補助)開始の審判を申立てる必要があります。 後見(保佐・補助)開始の審判の申立てを行える方は本人・配偶者・四親等内の親族・検察官・市区町村長等です。

申立に必要なものとして次のようなものが考えられます。

 

【必要な書類】

  • 後見・補佐・補助の申立書
  • 本人情報シート
  • 3か月以内に発行された本人の診断書
  • 3か月以内に発行された本人の戸籍謄本
  • 3か月以内に発行された本人の住民票
  • 3か月以内に発行された本人の被後見人等の登記がされていない証明書
  • 本人の収支に関する資料
  • 本人が所有する財産に関する資料

 

上記の他にも家庭裁判所が審理に必要と判断した場合には、追加で書類を提出することがあります。 次に、費用について確認しましょう。

 

【費用】

  • 申立て費用…収入印紙800円分
  • 連絡用切手(※)
  • 登記手数料…収入印紙2600円分

※管轄よって料金が異なる場合がありますので詳細は家庭裁判所に確認が必要です

 

これらの他にも、本人の精神状況を鑑定する場合には、鑑定料がかかります。

家庭裁判所は後見人等を選任するにあたって、診断書等の書類上だけではなく、関係者と面談を行い審理します。 面談の出席者は、申立人、被後見人等本人、後見人候補者、介護ヘルパー、司法書士等の専門家が考えられます。後見等開始を申立てするにあたった事情や本人の現況を聞いたり、後見人等候補者が財産を管理する適格性があるのか等を質問されます。

なお、保佐・補助の申し立てを行った場合、家庭裁判所は保佐人・補助人に付与する代理権・同意権等の範囲について本人の意思を確認します。 家庭裁判所は面談が終了後、審理を経て、後見人等を選任する審判をくだします。

後見開始の審判書が郵送されてから2週間、審判に対する不服申立てがない場合には、審判の内容が確定するので後見人等が決まります。

家庭裁判所は審判確定後、法務局に依頼し、審判の内容を登記の依頼をします。 法定後見は家庭裁判所が、最も適任とする者を後見人等に選任します。 そのため申立時の候補者が必ず選任されるとは限りません。 また選任された場合でも、後見人の仕事をチェックする後見監督人が選任されることもあります。

任意後見制度の手続き

任意後見制度は、被後見人の意思能力があるうちに、後見人受任者と任意契約を結ぶ必要があります。

契約の内容は、判断能力が低下した場合の法律行為の代理権の及ぶ範囲を具体的に決めます。任意後見契約は、当事者同士で契約を結んだだけでは法的な効力はなく、公証役場で公証人に公正証書を作成してもらう必要があります。

被後見人の判断能力が低下した場合、その住所地を管轄する家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをすることによって任意後見は開始されます。

必要書類や申立て費用は次の通りです。

 

【必要な書類】

  • 申立書 公正証書の写し
  • 本人情報シート
  • 3か月以内に発行された本人の診断書
  • 3か月以内に発行された本人の戸籍謄本
  • 3か月以内に発行された任意後見監督人候補者の住民票や商業登記簿等
  • 3か月以内に発行された本人の被後見人等の登記証明書
  • 本人の収支に関する資料
  • 本人が所有する財産に関する資料

 

【費用】

  • 申立て費用…収入印紙800円分
  • 連絡用切手(※)
  • 登記手数料…収入印紙1400円分

※管轄よって料金が異なる場合がありますので詳細は家庭裁判所に確認が必要です

 

家庭裁判所は、任意後見監督人選任の申立てを受け、任意後見開始に関する被後見人の意思確認や、任意後見人の適格性等を鑑みて任意後見監督人選任の審理を進めます。 申立てから大体2,3か月で審判がくだり、選任された場合には任意監督人や申立人、被後見人、任意後見人に審判書が送付されます。

審判書送付2週間のあいだに関係人から不服申立てが無ければ、審判内容が確定し、家庭裁判所が審判内容の登記を法務局に依頼します。

家庭裁判所に選任された任意後見監督人は任意後見人が任意後見契約に沿った仕事をしているかどうかをチェックします。

 

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令和3年  おおわだ司法書士事務所を法人化し、司法書士法人奏を開設

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